引越しが一つの事業として確立したのは、そんなに昔のことではない。広辞苑によると「引越し」とは「ひっこすこと。転居、転宅」とある。その引越しが、事業として確立したのは、20年余ほど前のこと。第一次、第二次の石油危機を体験したあとのことである。それまでは、単なる運送事業の一つの付属物、おまけみたいな片手間の仕事にすぎなかった。そのため引越しの専門業者は、存在しなかった。今でこそ“グリコのおまけ”みたいな時代があったのかと首をかしげたくなるほど大きな市場になっているのが、当時はそうした状況だった。狂乱物価が日本列島を揺るがしたのは、かの第一次石油危機で、1974年12月のこと。この時期以降、日本は低成長経済時代を迎えた。トラック運送業界も需要不振に陥り、それまでの高度成長経済型の経営展開の軌道修正を迫られたのである。狂乱物価と地価暴騰は、真夏の夜の夢さながらと消え、土地や株の買い漁りに走った企業や個人の多くは負債を抱えてしまった。決してバブル経済時代のことではなく、それより十数年前のことである。右肩上がりの成長は終焉した。
[参考情報]
サカイ引越センターホームページ
hikkoshi-sakai.co.jp